カイロプラクターになるには?
「私も勉強すれば先生のようなカイロプラクティックの先生になれますか?」
治療をしていると、そう尋ねられることが時々あります。このご質問に対して私はいつも、
「はい、努力すればなれます」 と答えています。
今すぐ会社を辞めて東京の専門学校で3年間勉強し、さらに5年くらい治療院で修行してくれば、開業しても大丈夫なレベルになると思います。 つまり最短で8年くらい必要というわけで、まだ誰も挑戦した人はいません。
そして私自身も「辞めたほうがいいですよ」と言います。「(技術的に)なれる」のと「(実際に)なる」のとでは大きな開きがあります。カイロプラクターになるのは、とても困難な道のりです。とても人に勧められる仕事ではありません。
朝から晩までカイロプラクティックの事しか考えず、夢の中でも治療する。それぐらいのめり込まないと「私はカイロプラクターです」と名乗れるようなカイロプラクターになるのは難しいからです。
夢の中でも、というのは決して冗談ではありません。私は夢の中でも治療している事がよくあります。そして、それが実際の治療のヒントになる事もよくあります。
カイロプラクターはアスリート気質?
カイロプラクターというと、どこか穏やかなイメージがあるかもしれません。しかし、実際にはアスリートのような側面もあります。
例えば、カイロプラクティックではアジャスト(調整)を行う前に、椎骨がどのようにズレているか検査する必要があります。そして、その検査結果によって必要なアジャストをします。
しかし、この椎骨のズレはとても小さなもので、正しく検査を行うには、施術者自身の体幹と指先のトレーニングが必要です。ミリ単位の検査をしている時に、ミリ単位の僅かな体の揺れが生じていたり、指先の微妙な緩みがあると正しい検査ができません。
このように正しい検査をするためには、強い体幹や指先のトレーニングが必要です。そのために私も毎日欠かさずトレーニングをしています。 しかし、毎日トレーニングを積み重ねていても、納得のいくレベルにはまだまだ到達していません。さらなる努力が必要です。
さらにカイロプラクティックには「気功的」な側面もあります。起きている時はいつでも「気」が出ている状態でなければいけません。何をしている時もです。 こちらもまた毎日トレーニングしなければなりません。常に昨日の自分を超えなければならないからです。
トレーニングの必要性
(実際の治療風景)
「でも、それって先生がストイックなだけでは?」
これまでの話を聞いて、あなたはそう感じたかもしれません。しかし、これはストイックといった話ではなく、実際に治療に必要なトレーニングです。
地球温暖化による急激な気候変動や、小麦の摂取といった食生活の欧米化などによって、現代人の免疫力は低下する一方となっています。
ここ数年は特にそれが顕著です。常に自分の治療力を高めていかないと、治療が難しくなり対応できなくなってしまいます。 毎日トレーニングをする。常に昨日の自分を超える。 これがカイロプラクターの「アスリートの的な側面」です。
しかし、もちろん辛いばかりではありません。治療によって、患者さんが元気を取り戻していく姿を見るのは、一治療家として冥利に尽きるものがあります。 カイロプラクティックはやりがいのある、とてもいい仕事です。
もし、カイロプラクターを目指すのならば、今回お話ししたような内容を踏まえた上で、挑戦して頂きたいと考えています。